2026年10月24日土曜日

【3年生算数】「そもそも1/4って何?」〜分数の授業から〜

今日の算数は、「80cmの 1/4 の長さを求めよう」というテーマで授業を行いました。

分数の学習では「分母の数で割ればいい」という機械的な作業になりがちです。だからこそ本時では、「そもそも 1/4 ってどういうこと?」という問いからスタートしました。


1. 導入:「そもそも 1/4 って何?」概念の揺さぶり

まず子どもたちに「そもそも 1/4 って何?」と投げかけました。 すると、「4つに分けた1つ分!」という答えが返ってきます。

そこで「本当にそうかな?ペアで考えてごらん」と問いかけ、円をバラバラの大きさ(不等分)で4つに分けた図を提示しました。

図を見た子どもたちは「あ!これは 1/4 じゃない!」とすぐに気づきます。 「じゃあ、1/4 って何?」と改めて尋ねると、「4つに『同じ大きさに』分けた1つ分だ!」という答えが返ってきました。 単に「4つに分ける」のではなく、「同じ大きさに分ける(等分)」という分数の大切な定義に自分たちの力で気づくことができました。


2. 80cmのテープを使った操作と「見通し」

続いて、問題文の 80cmの 1/4 について考えました。

実際の80cmのテープを見せて「これで 1/4 は作れるかな?」と尋ねると、「作れるよ!」と元気な声が上がりました。前に出てきてくれた子が、テープを2回半分に折って 1/4 を作ってみせてくれました。

この具体的な操作を通して、子どもたちの中から

  • 「1/4 って、半分の半分なんだね!」

  • 「これって 4 で割ることと同じなんじゃない?」

という直感的な見通しが生まれました。 そこから「図」「何倍か」「さくらんぼ」などの解法が使えそうだという見通しを立てて自力解決に向かいました。


3. 独自学習から相互学習へ(3つのアプローチ)

独自学習を経て相互学習へ入ると、黒板には大きく分けて3つの素敵な考え方が並びました。

  1. 半分の半分

  2. 等分するやり方

  3. □を使ったかけ算

最後に「80cmの 1/4 は、80cmを 4等分した 1つ分 →80÷4で求められる」とまとめを提示し、本時を締めくくりました。


4. ノートで見つけた!子どもたちの多様なアプローチ

全体で共有した解法以外にも、子どもたちのノートには「なるほど!」と唸らされる素晴らしい考え方がたくさん詰まっていました。

1.操作を図にする「切り分ける」考え方


80cmのテープに「切る」矢印を書き、4つに分けた後のテープを実際に並べて描いている子がいました。 「4等分する」という言葉をただ処理するのではなく、「実際に切ったらどうなるか」をノートの上で具体的に再現して理解を深めている点がとても素敵です。

2.ひき算で確かめる考え方



80-20=60 60-20=40と、20を4回ひくとちょうど0(ぴったりなくなる)になることに着目した子もいました。 割り算の本質である「同じ数を何回引けるか」という視点から、「1つ分が20だからこそ、4回引いたら0になるんだ!」と自分の答えを自力で検証している考え方に感心させられました。

3.割り算でも使えた!「さくらんぼ計算」


かけ算の学習で大活躍した「さくらんぼ計算」を、なんと割り算でも応用している子がいました! 80を40と40に分け、計算できていました。「既習の工夫(分解して考える)は、新しい単元でも使えるんだ!」という数学的な見方・考え方がしっかりと自分のものになっていることが伝わるノートでした。


5. 心が温かくなる子どもたちの「振り返り」

授業後に集めたノートには、友達の考えに対する驚きや感謝、失敗を肯定し合う温かい言葉がたくさん溢れていました。

① 友達の発表やまとめへの感謝

  • 「Aさんが書いてくれた図からみんなが深められていい意見だなと思った。」

  • 「Bさんは説明が分かりやすくて、Cさんは最後にまとめてくれてとてもいい意見だと思った。」

  • 「今日僕は正直 1/4 って何なの?と思ったけれど、ペアでDさんに教えてもらって『ああ、1/4 ってこういうことなのか!』と分かりました。」

② 思考の深さへの驚き(「半分の半分計算」)

  • 「自分は□✕4=80は気づかなかったけど、それに気づいた人がすごいなと思いました。」

  • 「『半分の半分』のやり方がすごかったです。式1つで80÷4=20だったけれど、2つの式で 80÷2=40、40÷2=20という考えを出していてびっくりしました。

  • ③失敗(間違い)を肯定し称え合う姿勢

  • 「〇〇さんが発表して間違えていたけれど、〇〇さんが答えを出していてすごいなと思いました。でも、〇〇さんもここまで考えたのがすごいなと思います。」


授業を振り返って

「1/4 って何?」という素朴な疑問からスタートした今回の授業。 友達の「半分の半分」という柔軟な発想に驚いたり、ノートの中で自分なりの解法を試行錯誤したり、間違えても「そこまで考えたのがすごい!」と認め合ったりする子どもたちの姿がうれしかったです。「答えを出すための計算テクニック」ではなく、「分数の本質的な意味」を子どもたちが実感をもって理解できた素晴らしい時間になりました。


9年生 刑事裁判の授業で模擬裁判を行いました。

 9年生の公民(社会科)の授業で、資料集に掲載されている「本能館放火殺人事件」という題材を使い、模擬裁判の授業を行いました。

今回の授業は、単に判決を下す体験をするだけでなく、「刑事事件がどのように審理されるのか」という仕組みを学び、そこから今後の「裁判員裁判」の学習へとつなげていくことを主なねらいとしています。

授業では、生徒たちが裁判官・検察官・弁護人・証人などの配役になりきり、セリフを劇のように演じながら裁判の流れをリアルに再現して学習を進めました。


 どんな事件?(事件の概要)

今回、検証した事件のあらましです。

【事件のあらまし】 社員旅行で旅館「本能館」に泊まっていた織田社長が、矢の刺さった遺体で見つかり、同時に館内で火災が発生しました。 被告人として起訴されたのは、部下の明智さんです。

  • 検察官の主張(有罪):「給料を激減させた社長を強く恨んでいた。自宅の毒草で作った矢で襲い、証拠隠滅のために持ち込んだガソリンで火をつけた!」

  • 弁護人の主張(無罪):「厳しくされたのは教育のためと感謝していた。矢は誰かに盗まれたもので、消火を手伝った時に偶然ついたもので、犯行に使ったわけではない!明智さんは無実です!」

 

注目ポイントと生徒たちのリアルな声

現場に残された「Akechi」と書かれた吹き矢、自宅の毒草、浴衣のガソリンのしみ、そして「廊下で吹き矢を構えていた」という同僚の目撃証言など、さまざまな証拠が提示されました。 生徒たちは劇の様子や証拠資料を見比べながら、ワークシートに自らの考察を書き込んでいきました。

【有罪派の意見】

  • 「トイレに行くだけで浴衣の裾にガソリンがつくのは流石におかしい」

  • 「自宅にあった毒草もガソリンも一致しすぎているから、偶然とは言えないはず」

  • 「両手で吹き矢を構えるポーズと、ペンを持つポーズは見間違えないと思う」

【無罪派の意見】

  • 「自分が犯人なら、わざわざ自分の名前(Akechi)が入った矢を現場に残さないのでは?罠かもしれない」

  • 「湯煙の中で20mも離れていて、視力0.7で見えたのかな?」

  • 「宴会中の短いトイレの時間だけで、襲って火までつけるのは時間的に無理がありそう」



クラスごとの判定結果発表!

クラスごとに集計してみると、どちらのクラスもギリギリまで判定が割れる展開となりました。

  • 9年1組:有罪 12名 / 無罪 13名

  • 9年2組:有罪 10名 / 無罪 14名

「怪しい気もするけれど、決定的な証拠がないかもしれない…」と、刑事裁判の大原則である「疑わしきは被告人の利益に(疑わしきは罰せず)」の考え方を意識しながら、慎重に結論を導き出そうとする姿勢が見られました。


劇形式で楽しみながら裁判の流れを追う中で、「直感だけで決めずに、双方の言い分や証拠をしっかり見比べることが大切だと感じた」「ニュースで見る事件の報道についても、多角的に見ることの大切さが分かった」といった感想が寄せられました。

今回の模擬裁判を通して、刑事事件における検察・弁護双方の役割や証拠調べの重要性を実感することができました。