2026年10月24日土曜日

9年生 刑事裁判の授業で模擬裁判を行いました。

 9年生の公民(社会科)の授業で、資料集に掲載されている「本能館放火殺人事件」という題材を使い、模擬裁判の授業を行いました。

今回の授業は、単に判決を下す体験をするだけでなく、「刑事事件がどのように審理されるのか」という仕組みを学び、そこから今後の「裁判員裁判」の学習へとつなげていくことを主なねらいとしています。

授業では、生徒たちが裁判官・検察官・弁護人・証人などの配役になりきり、セリフを劇のように演じながら裁判の流れをリアルに再現して学習を進めました。


 どんな事件?(事件の概要)

今回、検証した事件のあらましです。

【事件のあらまし】 社員旅行で旅館「本能館」に泊まっていた織田社長が、矢の刺さった遺体で見つかり、同時に館内で火災が発生しました。 被告人として起訴されたのは、部下の明智さんです。

  • 検察官の主張(有罪):「給料を激減させた社長を強く恨んでいた。自宅の毒草で作った矢で襲い、証拠隠滅のために持ち込んだガソリンで火をつけた!」

  • 弁護人の主張(無罪):「厳しくされたのは教育のためと感謝していた。矢は誰かに盗まれたもので、消火を手伝った時に偶然ついたもので、犯行に使ったわけではない!明智さんは無実です!」

 

注目ポイントと生徒たちのリアルな声

現場に残された「Akechi」と書かれた吹き矢、自宅の毒草、浴衣のガソリンのしみ、そして「廊下で吹き矢を構えていた」という同僚の目撃証言など、さまざまな証拠が提示されました。 生徒たちは劇の様子や証拠資料を見比べながら、ワークシートに自らの考察を書き込んでいきました。

【有罪派の意見】

  • 「トイレに行くだけで浴衣の裾にガソリンがつくのは流石におかしい」

  • 「自宅にあった毒草もガソリンも一致しすぎているから、偶然とは言えないはず」

  • 「両手で吹き矢を構えるポーズと、ペンを持つポーズは見間違えないと思う」

【無罪派の意見】

  • 「自分が犯人なら、わざわざ自分の名前(Akechi)が入った矢を現場に残さないのでは?罠かもしれない」

  • 「湯煙の中で20mも離れていて、視力0.7で見えたのかな?」

  • 「宴会中の短いトイレの時間だけで、襲って火までつけるのは時間的に無理がありそう」



クラスごとの判定結果発表!

クラスごとに集計してみると、どちらのクラスもギリギリまで判定が割れる展開となりました。

  • 9年1組:有罪 12名 / 無罪 13名

  • 9年2組:有罪 10名 / 無罪 14名

「怪しい気もするけれど、決定的な証拠がないかもしれない…」と、刑事裁判の大原則である「疑わしきは被告人の利益に(疑わしきは罰せず)」の考え方を意識しながら、慎重に結論を導き出そうとする姿勢が見られました。


劇形式で楽しみながら裁判の流れを追う中で、「直感だけで決めずに、双方の言い分や証拠をしっかり見比べることが大切だと感じた」「ニュースで見る事件の報道についても、多角的に見ることの大切さが分かった」といった感想が寄せられました。

今回の模擬裁判を通して、刑事事件における検察・弁護双方の役割や証拠調べの重要性を実感することができました。

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